■ 突発性難聴とは
・現代医学におきましても、突発性難聴のはっきりした原因は不明とされていますが、ウイルス感染説と内耳循環障害説が有力のようです。
① ウイルス感染説
・突発性難聴の発症前に風邪のような症状を訴える人が少なくないことや、はしか・おたふく風邪などで内耳が炎症を起こした時にも耳鳴り・難聴が起こることが根拠となっています。
② 内耳循環障害説
・高度なストレスや疲労などで内耳に行く血流が悪くなることで、内耳(蝸牛)の中にある音の振動を感じる細胞(有毛細胞)が働かなくなって難聴を発症するという説。
・実際に「突発性難聴」に罹る人のほとんどが、発症前にストレスと疲労を感じていたと口にしています。
■ 加齢(老人)性難聴とは
・誰でも年をとると徐々に耳の聞こえが悪くなっていきますが、この加齢性難聴は聴覚を司る細胞の生理的(避けることができない)な老化が原因であることが多く、鍼灸治療で劇的に改善させるのは難しいと考えられます。
■ 突発性難聴かな?と思ったら
・急に耳の聞こえが悪くなった場合、一刻も早くお近くの病院へ行き治療を始めることが重要となります。( 突発性難聴というのは、症状の治癒率が1日単位で低下していく為 )
・病院での早期治療を受けても、原因(治療法)がはっきりと解明されていない為、完治する患者さんは3分の1程度と言われています。
➡そこで、病院での治療に加えて、鍼灸治療を行うことで完治の可能性を高めたり、耳鳴りなどの後遺症を回避する事ができる場合があります。
➡突発性難聴が発症し耳が聞こえずらいということは、内耳にある聴力を感じる細胞が仮死状態になっているということです。この発症初期(まだ細胞が仮死状態である時)に治療を行い、細胞を復活させる事が何より大切であると思います。
■ 鍼灸治療について
・鍼灸治療では、内耳(蝸牛)の循環を良くすることを目標に、頚部・耳周囲へ鍼を行います。
・顎関節は耳に一番近い関節であり、顎関節の動きが悪い場合も耳への血流を妨げる場合がありますので、顎関節症の治療も併せて行います。
・内耳の血流を良くすることで、内耳(蝸牛)の中にある音の振動を感じ取る細胞(有毛細胞)に栄養がいきわたり、働きが鈍くなった細胞機能の回復が図られます。
※ 妊娠中、授乳中の方や、糖尿病、高血圧、胃潰瘍、肝疾患などで病院でのステロイド治療が行えない場合などは、鍼灸治療が第一選択となる場合があります。