頭痛の鍼治療

■ 筋緊張性頭痛

・筋緊張性頭痛は、頭の付け根の最深部にある 後頭下筋群(下図)の緊張が原因(トリガーポイント)となっていることが多いです。

・この深部の筋肉の緊張を緩めるには、マッサージなどの他の治療に比べ鍼での治療がとても効果的です。

               後頭下筋群

 ロキソニン等の痛み止めはこの筋緊張性頭痛に非常に効果があるのですが、薬の効果が切れてしまえばまた痛みが出現することになり、痛みの原因を解消したことにはなりません。

片頭痛

・何らかの原因で頭蓋内の血管が拡張し、ズキンズキンと痛みを出す片頭痛に対し、鍼治療では筋緊張性頭痛ほどの治療効果が出ない場合があります。

 ➡鍼治療の基本的な効果は筋肉を緩め、血流を良くすることである為です。

 ➡片頭痛の症状が出ている場合は、頭のほうに集中した血液を抹消へ誘導するような治療を行います。

・何らかの原因( ストレス、精神的緊張、疲れ、等 )によって起こる身体症状に対する鍼灸治療を継続して行うことで、「片頭痛が出にくくなった」といわれる患者様も多くみえます。

 片頭痛治療の特効薬であるトリプタン製剤は、拡張した血管を収縮させることにより症状をすばやく抑えることができますが、症状が出てから服用する薬であり、片頭痛の発生回数を抑える薬ではありません。

後頭神経痛

・後頭部の皮膚知覚を司る大後頭神経は下図のように、頭半棘筋および僧帽筋を貫いて頭皮の下に現れます。

・この神経が頚部の筋肉の緊張などにより刺激されると、髪の毛や頭皮に触れただけでもビリビリしたような痛みが走るようになります。

大後頭神経

・頚部の筋緊張による神経の圧迫が主な原因である後頭神経痛は、鍼での治療がとても効果的です。

・痛みの強い患者様には、後頭神経ブロック鍼( 神経走行上に鍼を刺し低周波鍼通電を行う )を行います。

 ➡後頭神経痛や坐骨神経痛などの神経性の痛みには、この神経ブロック鍼がとても効果的です。

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